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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記
2021.04.02
どーも。しゃちょです。
黄砂と花粉には甚だ辟易しますが、
自宅近くの桜も華麗に咲き誇り、
北陸の寒さに滅法弱い私などは、
いよいよ春めいてきたなあ。と、
待ち焦がれていた春の到来に、
心も軽やかに弾むこの頃であります。
大いに春休みを満喫しているご様子の、
ウチの橙(だいだい。息子。高1。)。
詳しくは知らないのですが、
入学式まであと1週間くらいなのかなあ。
とはいえ、このご時勢、
慢心気味の浮かれ気分で、
サントリーの角をなみなみ入れた、
スキットルを懐に忍ばせて、
橙を誘っての親子水入らず、
祝卒業記念!春の父子二人旅2021!
なんぞを企てる訳にもいかないしなあ。
せっかくの春休み。
お互いになかなか多忙で、
普段あまり絡むことのない息子と、
何か有意義な時間を共有できないかなあ。
と、劣化と腐敗が進みつつある脳を、
力いっぱい振り絞ったところ、閃いた。
私が10代の頃からこれまでに蒐集した、
約3000枚のレコードと約6000枚のCD。
こいつを教材に1960年から2020年まで、
約60年間に亘る音楽シーンの栄枯盛衰や、
ムーブメントの変遷やその時代背景を、
洋楽音痴なあの野郎に叩き込んでやろう。
特に、私の青春と共にある栄光の90年代を!
この年度末の一瞬の隙を突いて!
懐に隠し持ったサントリー角を、
人目を気にしつつチビチビやりながら、
ゆったり日本列島を南下する男二人電車旅。
味わい深い薫りがぷんぷんしますが、
この旅はこの旅で世の中が落ち着くまで、
こっそり頭の隅に秘めておこう。
今回の旅は3/28〜3/30の3デイズ。
父のルーツを辿る音楽の旅2021。
息子よ。
これまで機会がとんと無かったから、
お前には伝えていないが、
私という人間を形成する細胞や血液は、
すべて90年代カルチャーで出来ているのだ。
お前の今後の人生において、
深く刻まれるだろう忘れ難い3デイズ。
豊饒な音楽ライフを約束する3デイズ。
90年代の音楽シーンを、
下手な音楽評論家レベル以上の内容で、
スロウダイヴやペイヴメント、
スーパーチャンクやイールズあたりから、
マイナーな東海岸ヒップホップまで、
みっちりお前に伝授してやろう。
と、鼻息も荒く橙にプレゼン。
とはいっても、
まずはさらっとね、
90年代に入るまでの流れを復習しないとね。
ローマは一日にして成らず。
60年代のプレスリー登場からビートルズ。
ウッドストックから百花繚乱の70年代。
レコードがCDに変化して、
音楽シーンが急速に商業化した80年代。
これらの時代を経てきたからこそ、
我が栄光の90年代があるんだからね。
という訳で、
3デイズ初日は90年代前夜。
1961~1989までの音楽シーンを彩った、
重要な楽曲をひとつひとつ聴きながら、
時代背景や若者の思想やトレンド、
楽器や奏法の進化などを交え、
さらっと説明していくからな。
まあ、ざっくり掻い摘んで、
ほんの一部をピックアップすると、
大体こんな感じかなあ。
1961 エルビスプレスリー
1962 ビートルズ、ボブディラン
1963 ローリングストーンズ
1964 キンクス、アニマルズ、ヤードバーズ
1965 ザ・フー、バーズ、マンフレッドマン
1966 ジャニスジョプリン、スモールフェイセズ、
ビーチボーイズ、サイモン&ガーファンクル
1967 ドアーズ、ジミヘン、ヴェルヴェッツ、
グレイトフルデッド、トラフィック、
バッファロースプリングフィールド
1968 クリーム、ザ・バンド、ジェフベック、
ヴァンモリソン、ラヴ、ロジャーニコルズ
1969 レッドツェッペリン、キングクリムゾン、
スライ&ザファミリーストーン、
ストゥージズ、MC5、プロコルハルム
1970 EL&P、ニールヤング、CSN&Y、ブラックサバス、
フリー、カーティスメイフィールド
1971 Tレックス、マーヴィンゲイ、キャロルキング
ジョニミッチェル、フェイセズ
1972 デヴィッドボウイ、ピンクフロイド、イエス、
ルーリード、ロキシーミュージック
1973 スティーヴィーワンダー、トムウェイツ、
オールマン、ドゥービーブラザーズ
1974 クラフトワーク、クイーン、ライクーダー
1975 ボブマーリー、パティスミス、
ブルーススプリングスティーン
1976 ラモーンズ、イーグルス、トムペティ、
エアロスミス、ジェネシス
1977 セックスピストルズ、クラッシュ、ダムド、
テレヴィジョン、フリートウッドマック
1978 ジャム、ディーヴォ、ポリス、ケイトブッシュ
1979 ジョイディヴィジョン、スペシャルズ、PIL
1980 トーキングヘッズ、ヤングマーブルジャイアンツ
1981 バウハウス、ニューオーダー、アイアンメイデン
1982 デュランデュラン、サバイバー、ドナルドフェイゲン
1983 マイケルジャクソン、カルチャークラブ、AC/DC
1984 キュアー、スタカン、シンディーローパー、プリンス
1985 ジザメリ、マドンナ、スティング、ポーグス
1986 スミス、ビースティボーイズ、ランDMC、メタリカ
1987 R.E.M.、ガンズアンドローゼズ、U2
1988 パブリックエネミー、ダイナソーJr、ソニックユース
1989 ピクシーズ、ストーンローゼズ、NIN、デラソウル
ってな感じで、
時代を追いながら次々に曲を聴き、
大好物のアーティストには時間を割いて、
時には派手に脱線しながらも、
何かに取り憑かれたように、
あれこれ説明し続ける私。
それをノートに書き写しながら、
楽しそうに私の話に耳を傾ける橙。
さて、
それからどれくらいの時間が、
経過したのでしょうか。
ふと我に返り、
おい、だい坊、今何時だよ?
と、時計を見ると、
なんとなんと、3/31の午前3時!
ここまでに費やした時間は、
驚愕の約50時間!
疲労困憊の耳と身体を無視して、
いい感じにハスキー化した嗄れ声で、
先ほど、語り終えたアーティストは、
1974年のクラフトワーク。
やったわ。。
完全に時間配分を間違えた。。
気持ち良過ぎる音の洪水に、
うっかり我を忘れて、
橙そっちのけで興に乗ってしまい、
お尻を計算していませんでした。。
1974年までで貴重な3デイズを
ぜんぶ使い果たしたバカ親父。
何よりも息子に伝えたかった、
我が青春の90年代には程遠い、
1974年でタイムオーバー。
しっかし、1974年つったら、
我が青春どころか、
まだ産まれてもねーよ!
という訳で、
父のルーツを辿る音楽の旅2021。
キンクスとニールヤングを、
熱く語り過ぎたのが敗因でして、
結果、父のルーツを辿れず、
ノーマネーでフィニッシュです。