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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#722ベッド

どーも。しゃちょです。

都内のホテルが割高なので、
都内で一人暮らしを満喫してる、
息子の部屋に3泊しました。

で、
彼の部屋に存在する、
睡眠可能なツールは、
ベッドがひとつと、
ちっちゃめのソファ。

無論、一晩の安眠が担保される、
ベッドの使用権利を持つのは、
割高ホテルを回避して、
一円でも経費を浮かせようと、
青春を謳歌している若者の部屋に、
土足で闖入する私では無く、
この部屋の主であり、
日々、高難度な勉学に勤しむ、
あいつなのは至極当然であります。

「おとうさん、ベッド使っていいよ。」

「大丈夫大丈夫。お前が使え。」

「いいよいいよ。お父さん使ってよ。」

「気にすんな。俺なんぞソファで充分よ。」

と、押し問答を4分間続けたのですが、
あいつも相当頑固で結論が出ず、
仕方なしに私が折れます。

「わかった。じゃあこうしよう。」

1日目→私
2日目→息子
3日目→私

と、息子の主張に甘える成り行きで、
一日交替制のローテーションを組み、
初日のベッドは私が使用する流れに。

じゃあね。また明日。おやすみ。
と、すこぶる快適な睡眠環境で、
ぐうぐう寝させて頂きました。

で、翌朝。
寝る体力も消失する一方である、
老兵の私が先に目覚めるのは当たり前で、
ふわあ、よく寝たなあ。と、
目をこすりながら上半身を起こし、
前方のソファを見やると、
身長184センチのあいつが、
ちっちゃめのソファで、
身体を海老のように丸く縮めて、
すやすや寝てる。

その息子の寝姿を見た刹那、
強烈な自己嫌悪に襲われた。

お前は一体、何をやってるんだ。
将来ある息子があんなに身体を縮めて、
苦しそうにして寝てるじゃないか。
そもそも、お前はひとつも疲れていない。
お前が日中、都内の店舗を巡回がてら、
お昼はカレーにしたろかラーメンにしたろか。
などと、昼飯のことばかり考えて、
不潔なよだれを垂らしている時に、
息子は世のため人のため、
高尚な勉学に勤しんでいるのだ。
年長者という立場を背景に、
詭弁を使い息子のベッドを強奪して、
酒臭い息を吐き散らかしながら、
あほみたいな顔を晒して、
あほみたいな幼稚な夢を、
ぐうぐう見てるなんぞ言語道断!

2日目どころか3日目も、
今後100年に渡ってベッドはあいつ。
おいらは死ぬまでソファ一択。

あいつの持ち前の優しさで、
ベッドをしつこく勧められても、
絶対に一歩も引くもんか。

欲しがりません!
あいつがベッドで寝るまでは!

という訳で、
強固な意志であいつの申し出を退け、
2日目、3日目とソファで寝た。

2日目、足が攣って、首が寝違えた。
3日目、肩が死んで、腰が爆発した。