Mailmagazine
しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記
2023.03.18
どーも。しゃちょです。
すみません、空いてますー?
と、お店の扉を開け、
大将と目が合ったその瞬間から、
私の風貌、私の見た目一発で、
こいつは全国のライブハウスを、
転々としているバンドマンだと、
独り合点しちゃったのでしょうね。
枝豆と厚焼き玉子を肴に、
3本目の瓶ビールをぐびぐびやってると、
カウンター越しに大将が話し掛けてくる。
「お兄ちゃん、こっちにはしばらく居るの?」
「いいえ。明日には東京戻るんです。」
「へえ、そうかい。東京かい。」
「はい。でも、まあ、すぐに、
大阪飛んで2泊して金沢ですけど。」
「へえ。その後は?」
「金沢から名古屋、津、と回って、
最後は、静岡から船橋です。」
「大変だねえ。落ち着かねえなあ。」
「うーん。そうでもないですよ。
こうゆう生活が性に合ってるようです。
もう20年近くこの生活ですから。」
「へえ。そんなもんかい。」
「はい。そんなもんです。」
「ところでお兄ちゃんのバンドってさ、
なんてゆう名前なの?」
「えっ。いやいや、バンド組んで無いですよ。
仕事はですね、アパレルです。」
「うん?」
「アパレルです。」
「へっ?」
「えーっと、ア・パ・レ・ルです。」
「アパレル?」
「はい。アパレルです。」
「まあ、俺もいい歳だからねえ。
アパレルってバンドはよく知らねえけどさ、
まあ、一生懸命、頑張んなよ、お兄ちゃん。」
「はい。頑張ります。」
「アパレル応援してっから!」
「はい。ありがとうございます。」
もういいや。もう知らね。
今日はもう、このままいく。
謎バンド「アパレル」のボーカルでいく。