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しゃちょ。のメルマガジーヌ編集後記

#302サード連盟

どーも。オジコのしゃちょです。

たまには肉でも食うか。と、子供とかみさんを連れて、
中学の同級生が店主をしている馴染みの焼肉屋に行くと、
「おっ。いいところに来た。ほら、こっちのテーブル。」
と店主が目配せして教えてくれたテーブルをちらと見やると、
その昔、どっかで見たことがある顔をしたおっさんが2人。
ありゃ。このおっさん2人、誰だっけ。と、
数秒の沈思黙考後、あっと閃き、思い出した。

「おおおお!サード連盟やんか!」

かれこれもう25年前になりますか。
丸坊主がフレッシュな中学生当時の野球部時代。
中1~中3までの3年間、
自分の意志なのか監督の判断なのか忘れましたが、
守備位置をサードに配置された、
同学年の仲良し4人衆がありました。
部室で着替えるのもキャッチボールをするのも、
グラウンドを走るのも水溜まりをスポンジで取るのも、
お弁当を食べるのも自転車で他校へ遠征に行くのも4人一緒。

何を隠そう私もその4人衆の一員だったのですが、
打力、守備力、走力はもちろん人柄や人間の器までも、
その4人の中では極めて秀でていた私が、当然レギュラー。
残りのT、M、Kの3人は万年補欠でありまして、
特に3,4番手のMなんぞはサードを早々に見切り、
セカンドやライトにでもコンバートすれば、
試合出場のチャンスも2%くらいはあった風に思うのですが、
なぜか頑なにサードから移らない。

この4人衆の結束の固さは岩よりも鋼鉄よりも固く、
例えばショートの補欠に甘んじている部員Aなんぞは、
この先ショートでは試合に出られないと見るや否や、
自ら外野へのコンバートを監督に申し出て、
少しでも試合に出るチャンスを得ようと、
なりふり構わぬ姿勢を見せる。
まあ、これが補欠野球部員の行動としては、
正解なのかもしれないですが、
私を除くこの3人といったら、
まったく試合に出られなくても粘着的にサードに固執。
一体全体これはどういうことなんだ。と、
彼らのサードへの異常な執着を当時、
練習後に行った銭湯で聞いてみたことがあります。

T)「俺はお前の控えでいることに誇りを持っているんだ。」
M)「ケガを恐れずプレーをしてくれ。何かあっても俺がいる。」
K)「俺の青春はこの場所なんだ。俺から青春を奪わないでくれ。」

この熟していないパパイヤのように青く中坊くさい、
然れども熱い友情で結束した4人衆を、
いつしか「サード連盟」と人は呼び、
我が伝統の野球部の歴史に今も眩い光を放っている訳であります。
嗚呼、栄光のサード連盟。

なーんつって、強固に結束していたサード連盟も、
高校に進学するとともに完全消滅。
年賀状の遣り取りも1年で終わり、一気に疎遠。
連盟の存在すら忘却の彼方へすっ飛んでいたところへ、
四半世紀の時を経て、近所の焼肉屋にてよもやの邂逅。

25年振りの再会は当時の懐かしい思いが蘇り、
一篇の青春小説のページをめくるくらい気恥ずかしく、
今回、会うことのできなかった残るKとも連絡を取り、
四半世紀振りのサード連盟復活を固く誓って、
なんともいい気分で焼肉屋を後にした訳であります。

ははーん。
旧友との再会の喜びってのはこういうことかあ。
何を隠そう私はSNSが大の苦手なんで、
LINEもインスタもなーんにもしてないから、
こういう偶然のミラクル遭遇以外に、
古い友達や知人たちと繋がる可能性は皆無。

なーるほど。
旧友と繋がるのもなかなかいいもんだなあ。と、
ちょっと思いましたが、でもやっぱりいいや。
繋がるのはTシャツだけで。
と、無理矢理うまくまとめて今週はおしまい。

みなさんも楽しい1週間をお過ごしくださいね。

いつもありがとうございます!